昆虫食・昆虫飼料市場の全貌がわかる「昆虫食カオスマップ

昆虫食・昆虫飼料市場の全貌がわかる「昆虫食カオスマップ 2019」公開

昆虫食メディア『BUGS GROOVE(バグズグルーヴ)』は、昆虫食に興味がある方、昆虫食事業関係者、昆虫食事業への新規参入を検討している方々のために昆虫食市場の各分野で実績がある企業・サービスをピックアップしてマッピングした「昆虫食カオスマップ 2019」を作成・公開しました。

昆虫食カオスマップ2019はこちら

2_cover
※各社のホームページやリリースをもとに『BUGS GROOVE』が独自に分類したものであり、すべてを網羅しているものではないことはご了承ください。

まずは、こちらのカオスマップをご覧ください。縦軸では「日本」と5大州「アジア」「アメリカ」「ヨーロッパ」「アフリカ」「オセアニア」を表示しています。

横軸では「養殖」は青、「製造」は緑、「研究・開発」はオレンジ、「販売」は赤、「その他」は紫とカテゴリに応じてそれぞれ色分けしています。

国別で多いのは断トツでアメリカ

トップ10は下記のようになりました。

 

1位 アメリカ 75

2位 日本 33

3位 イギリス 28

4位 フランス 22

4位 オランダ 22

6位 カナダ 18

7位 ドイツ 17

8位 ベルギー 14

9位 タイ 11

9位 デンマーク 11

 

このカオスマップには、46カ国の企業や団体等が名を連ねています。最も多かったのはアメリカの75、そして日本の33、イギリスの28と続きました。

日本では、コオロギ粉末入りプロテインバーを自社開発した『BugMo』、イエバエ技術で生ゴミや糞尿を肥料・飼料化した『ムスカ』、カンボジアを拠点にコオロギを主要原料とした養魚飼料の研究開発および販売する『ECOLOGGIE』、昆虫食専門ショップ『TAKEO』、日本初の機能性昆虫食「シルクフード」を京都大学と共同研究開発した『エリー』、アメリカミズアブを用いる小型食品リサイクル装置を開発した『Grubin』などスタートアップ企業が続々と誕生しています。また『食用昆虫科学研究会』や『昆虫エネルギー研究所』などは、2000年前半から昆虫食の普及活動を続けています。

世界の昆虫食市場は2023年までに10億ドル突破

現在世界の昆虫食市場は4億ドルといわれており、今後5年間でほぼ3倍の11.8億ドルに達する可能性があります。

 

最近では、ロボットで完全に運営される世界最大の昆虫農場の建設を計画する『Ynsect(フランス)』が1億2,500万ドルの出資を受け、『Nutrition Technologies(マレーシア)』が6500万ドルの資金を調達して東南アジア最大の昆虫工場の建設計画を進めるほか、Timeの2018年版「The 50 Most Genius Companies」に選ばれた『AgriProtein(南アフリカ)』を始め、『All Things Bugs(アメリカ)』や『Hargol FoodTech(イスラエル)』などが多額の資金を調達しており、ユニコーン企業が出る可能性が高まっています。

 

また、世界最大の昆虫食市場でもあるアジア諸国の中で9位に入ったタイでは、小売および卸売市場向けにアジア最大の食用昆虫や昆虫関連製品を提供している『JR Unique Foods』、ヨーロッパの昆虫食品市場をリードするSENSの創業者が設立したタイ最大規模のコオロギ養殖工場『The Cricket Lab』など注目企業も増えてきており、他のアジア諸国でも同様の動きが今後加速していくと予想されています。ここに日本の企業が食い込んでいけるかどうか追っていきたいと思います。

2_02
世界の食用昆虫市場は2023年までに10億ドルを超えると予測されています。

『BUGS GROOVE』では日本の各種メディアやSNSなどでゲテモノ扱いされがちな、昆虫食に関するビジネスを正しく伝えるためのメディアとして今後も情報を発信していきます。詳しくは「BUGS GROOVEとは?」をご覧ください。

編集: BUGS GROOVE

参考文献:

Bugs Are Coming Soon to Your Dinner Table』(Bloomberg、2018年7月5日)
The 50 Most Genius Companies of 2018』(Time、2018年)