苦みの中にコオロギの風味が!世界初のコオロギビールが誕生!

苦みの中にコオロギの風味が!世界初のコオロギビールが誕生!

コオロギラーメンで知られる篠原祐太さんを中心に活動し、昆虫食の魅力を伝えるチーム『ANTCICADA(アントシカダ)』と、岩手県遠野市の『遠野醸造』が、コオロギを原材料としたクラフトビールを共同開発。いったいどんなビールなのか、ANTCICADAの代表・篠原祐太さんを訪ね、お話を伺いました。

コオロギを原料に醸造したビールとは!?

昆虫食へのイメージが変わるきっかけに

「もっとたくさんの人に昆虫食を知ってもらいたい、楽しんでもらいたいと、以前からクラフトビールに注目していました」と篠原さん。きっかけは、2019年に開催された若手醸造家のイベントで、ANTCICADAの商品開発担当・山口歩夢さんと遠野醸造の代表・袴田大輔さんが意気投合したこと。遠野醸造は2017年に創業した新しいブルワリー(ビール醸造所)で、袴田さんは自由かつ柔軟な発想を持ち、かねてから原材料としての昆虫に興味があったそうです。

「徹底した衛生管理のもとで養殖された安心・安全なコオロギを使って、クオリティの高い、うま味の強いビールをつくること」を目指し、コオロギの個性を最大限に生かしたクラフトビールを実現するべく、レシピの考案が始まりました。

「昆虫食への先入観を払拭するきっかけをつくりたい」と篠原祐太さん

コオロギの個性を生かしたクラフトビール

原料は『太陽グリーンエナジー株式会社』のフタホシコオロギを使用。福島県のファームで室温・湿度管理を徹底した最適な環境のもと、社食のロスで出る野菜などを餌にして育てられています。

太陽グリーンエナジーの養殖現場

コオロギは軽く焙煎して香りを引き立たせ、ローストモルトと一緒に麦汁に加えて煮出し、発酵していきます。ローストモルトの苦みや香ばしさに、コオロギのうま味や風味をバランスよく重ねられるよう、コオロギの砕き具合や加える割合なども試行錯誤したそうです。

そうして誕生したのが『コオロギビール/Cricket Dark Ale』。「コオロギの発酵によって、苦みの中にもカモミールのような花の香りのニュアンスがうまく出せたと思います」と篠原さん。さらに、コオロギのタンパク質が作用し、泡はキメが細かくクリーミーに。

深いダークブラウンのビールにキメの細かい泡

取材陣も飲んでみました。チョコレートや黒糖のような香ばしく甘い香りが広がります。苦みとコクのあるダーク・エールで重厚感はありますが、スッキリとキレのよい後味。コオロギ特有の甲殻類に似た味はしませんが、出汁の風味が奥行きを与えています。「香りを楽しみながらゆっくりと味わってほしい」と篠原さんが言うように、常温でつまみを片手にじっくりと飲むのもよさそうです。

これからオープン予定の昆虫料理レストラン『ANTCICADA』ではもちろん、もっと気軽に飲めるよう、瓶詰めでの販売も視野に入れて開発していくとのこと。心待ちにしています!

昆虫食の魅力を探究し続けるANTCICADAのみなさん

データ:
『ANTCICADA』
Webサイト

文 :久保田 裕子
写真:ANTCICADA
編集:BUGS GROOVE